新作家具

grafオリジナル家具「ナラティブ」シリーズの新作が発売された。今回はコートハンガーをデザインした。
配送しやすいように梱包サイズの3辺合計が1600mm以内になるように求められたので、組み立て式にして解決した。2つのL字がクールクル、という感じで組み上がるようになった。
力がかかる部分は細かい相欠きにして、強度を出した。

360°写真

建築内部空間などの360°写真を撮影する活動を、続けている橋本敏和さんが事務所に遊びにきてくれた。撮影自体は本業ではないらしいが、非常に精力的に活動している。今回徳島事務所内部も撮影してもらった。
360°というと一周するパノラマ写真を思い浮かべるが、上下もすべて撮影する全天球写真らしい。特別な三脚で一枚一枚丁寧に撮影して、パソコンで境目の部分を処理するとのこと。仕上がりはグルグル回せて面白いし、空間内部をこういう風に見られる写真は多くないので、竣工写真とはまた違う貴重な記録になった。

猪熊弦一郎現代美術館

猪熊弦一郎現代美術館
設計:谷口吉生
竣工:1991年

香川県丸亀市駅前にある美術館。設計はニューヨーク近代美術館の改修でも知られる谷口吉生。
10月から長期改修に入るというので昨日見に行った。内部の展示室がとてもおおらかで特に2階の猪熊弦一郎の常設会場は上部から光も入りとても気持ちがいい。
今回は美術館設計段階の資料も展示されていた。猪熊弦一郎からは、大きいボリュームの展示室にしてほしいという要望だけ設計についてあったらしいが、工事が進むとあまりの大きさに驚いて、猪熊弦一郎も設置される彫刻の造形を考え直したらしい。
市民が気軽に寄れる場所にという願いがコンセプトのひとつらしいが、昨日は美術館エントランスでジャズの音楽会が開かれていたりと丸亀駅前全体が賑わっていた。

360度写真

今日は事務所におもしろい人達がきた。
神山の映像系会社に勤めている人達だが、趣味(?)で写真を得意にしていて、事務所内の全天球写真みたいなものを撮ってくれた。いろいろな建築のインテリア写真を撮っているらしい。本業以外にも積極的に活動しているのを見て刺激になった。

最近は涼しくなってきたので、窓を開け放って仕事をする時間が増えてきた。
しかしなんと、まさかの広瀬スズメバチの侵入。
気をつけたいものです。

木工旋盤

ひーくんに教えてもらって木工旋盤を初めて使った。
なにこれ!!思ったほど難しくない!!超楽しい!!!こんなの余裕じゃん!!!と思って、ガンガン削ったら高速で回っている材料のクランプが外れて顔面に飛んできた。

怪我をした。
しかも顔に。

人間、謙虚さを忘れるとやっぱダメっすねぇ。
仕上がりもよく見るとへんてこりんでイマイチじゃった。

城山公園

明後日に福井であるプレゼン用の模型を作っていたがふと思い立ち、近所にある徳島城城山公園で昼ごはんを食べてみた。牛乳瓶を看板に掲げたお茶屋でおむすびを買い、目指すは頂上、本丸跡地である。
一気に駆け上がってみると、暇そうなおじさんが一人でおり、いかに自分が忙しいかという話を一通りされた。家早南友、殿もこんな感じだったのかな。

中谷宇吉郎雪の科学館

中谷宇吉郎雪の科学館
設計:磯崎新
竣工:1994
場所:石川県加賀市

加賀市の柴山潟のほとりにある。出張ついでに見てきた。
小さい建物だが、結晶をモチーフにしたような六角形の小さな塔が3つ連なっている。外からみると土壁の塔だが、中に入るとトップライトが白壁に反射して眩しいくらい劇的だった。そこから下に降りると展示室だが、展示室は普通の感じがした。
それ以上に、世界で初めて人工的に雪の結晶を作り出した、中谷宇吉郎の研究内容が面白かった。
雪の結晶ってよくみるアレですよね、以外にものすごいたくさんある事を知った。また氷点下なのに凍らない過冷却水の実験などをしていた。マイナスなのに水が凍らない状態をキープしていて、何かの拍子に急に凍りだすというものである。かき氷などに応用したら、バカ売れしそうな気がするがどうだろうか。売れたら売れたで大変なのだろうか。

立教小学校

立教学院諸天使礼拝堂(立教小学校チャペル)
設計:アントニン・レーモンド
竣工:1966年

レーモンドの建築が好きで、関東に行く機会があれば見てまわっている。フランクロイドライトの弟子として来日し、そのまま日本を主な舞台として活躍したレーモンドは、コルビジェらが活躍するヨーロッパから遠く離れた場所で、地域性にも配慮した素晴らしいモダニズム建築を多数作り上げた。木造、コンクリートを使った構造表現で、世界最先端を突き進んでいたとも言われているが、当時の日本で世界的に評価されることは時代背景を考えるとなかなか難しかったであろう。

立教小学校の遠山先生との縁で、普段は見学できない立教学院諸天使礼拝堂(小学校内チャペル)を見る機会を得た。
RCの登り梁が内部では現しになっているが、他のレーモンド教会郡と同様、感じるのは構造の力強さよりも空間の静謐さである。簡素な木造の札幌ミカエル教会もRCの大空間も、理論的な工法や構造などよりも、感覚的な部分に静かに訴えかけてくる。
しかし美しい祈りの空間を作り出すこの感性の持ち主も、当時のたくさんの建築家や芸術家と同様、第二次大戦の影響からは逃れられない。ユタ州での日本爆撃実験で日本家屋の設計を担当したことが、戦後もどこかレーモンドに影を落としている。

遠山先生が書いた校内報で、大岡昇平の作品について触れている文章があったので、「野火」と「俘虜記」を読んでみた。小林秀雄、中原中也とも交流があり、フランス文学者でもある大岡の文章は、戦場における大岡自身の内部へと心理が向かっており、どこか哲学的でもある。文章が僕にとっては難解な部分もあるので、すべてを理解しうるかは謎だが、主人公がアメリカ兵を打たなかった後、自身の心中に対する考察において用いた歎異抄からの引用「わがこころのよくてころさずにあらず。また害せじとおもうとも、百人千人をころすこともあるべし」という一文が心に残った。自分が大戦中を生きていたら、果たしてどのような行動を取ったかを、今の時代から遡って考えることは不可能だろう。
終戦から73回目の8月15日を迎えた。戦争を経験している人が、だんだんと亡くなっていき少なくなっているが、聞けるうちに話を聞いておきたい。

家具

9月に発売される新作家具の商品撮影が天王寺であった。
graflaboの水谷さんが綺麗に仕上げてくれた。
ノックダウン式のコートハンガーだが、L字の部材2つと平板1枚が組み立がると立体的に変化するというのが、コンセプトのひとつ。L型の部分も細かいあられ組にしたら強さがでた。
家具設計は、見た目の形状や、使い方などのプログラムだけではなく、製造のエンジニアリングという部分も含めて、デザイン試作製作し、またそのあたりを整理していけば、性能強度や形がダブつかなくなると思う。
少し前に発売された、現在第一線で活躍しているベテラン家具デザイナーの本を読んだが、素材や工法に対する知識が豊富で、形をまとめあげる造形力と一体的になって作品にあらわれていた。